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家族として癌と戦う日々~入院中で一番心に残った看護

入院してからすでに三週間が経過していた頃のお話です。
母は、体力がどんどん消耗していっておりましたので、当然お風呂は入れません。

ありがたいことに、看護師さん達が何度か母の体を拭いて下さり助かりました。

年齢的なものもありますが、栄養状態が悪いと皮膚はどうしても乾燥してきます。

介護についている間はできるだけ顔以外にも腕や首、足など出ている部分にローション・乳液を塗り皮膚の乾燥を抑えました。

比較的雨が少なかったので、皮膚が乾燥すると、時々痒がっておりました。
これも肝硬変の症状のひとつだったのでしょうか。

皮膚にある程度の潤いを持たせていると、むやみにかきむしることはありませんでした。

ただ、ずっと気になっていたのが、母の洗髪でした。
黄疸になると、頭皮も黄色くなります。

"長いことお風呂に入れないのは、よほど具合が悪いからなのだろうか?"と、母も気持ちが暗くなりがち。


一週間くらいした頃から、洗ってあげたいなぁ、と思いましたが、ちょっと動いただけでハァハァと苦しそうに息を荒げるので、長時間かかるシャンプーは無理だろうと思っていたのです。

三週間、洗髪してあげたいなぁ、何か良い方法がないかしら・・。
と思っていた頃です。
亡くなる数日前のこと、毎週足浴の日に、私達家族のお気に入りの看護師さんが、足浴のお当番でした。
しっかりとしていて、人の心の良くわかる方でした。


この方は、人間的に素晴らしいなぁ、と思ったのは、付き添いに付いた人への対応の仕方です。

皆さんは、付き添いと医療サービスって、どの様にお考えになりますか?

もしも、ポータブルトイレが汚れた時、自宅なら家族が全て片づけるのが当たり前です。
他人に片づけてもらうなら、家政婦さんなりの方にお給金を支払って片づけてもらう、それも当たり前。

付き添いに付いているのだから、バケツを綺麗にするのも介護のうち。そう思って、姉も私もせっせと洗っておりました。


私達姉妹が、ポータブルトイレの排泄で汚れたバケツを汚物室で洗っている時、ある方は

『あ、ここにサンポールがあるから使って下さい。』と。

また、ある方は

『あ、ここ、片づけといてもらえますか?』

私達が進んでやっていることだから、別に良いのですが、なんだかモヤモヤ感が残る言葉でした。


ところが、バケツを片づける私達へ、Aさんの口から出た言葉は、

『すみません。ありがとうございます。』
そう言いながら、頭を下げるのでした。

まるで言葉が輝いて見えました。
彼女は感謝の心があるから、自然と出た言葉だったのだと思います。

私達はとても親しみを持ち、信頼をしていました。


そんな彼女がある提案をして下さいました。

『○○さん、今日は少し気分が良いようなら、髪を洗いましょうか?』

母と私はキョトンとしてしまいました。
体力を使いそうでとてもお願いできるなんて思ってみなかったのです。

『えっ?いいんですか?』

『ええ ^ ^』

もう一人の若い看護師さんと一緒にてきぱきと、髪を洗ってくれました。

用意していたものは、湯を入れるポリタンク。特大の紙オムツ。そして蛇腹付きの先端にジョロの様な口が付いた700CCくらい入りそうなボトル、タオルでした。
首に近い背に、バスタオルを折りたたんだものを敷いて、首には濡れない様にタオル。頭の下には特大の紙オムツ。

ジョロ付きボトルのお湯で髪をぬらし、普通のシャンプーで普通に洗ってくれました。頭皮のマッサージもしながら、しっかり洗ってくれたのです。

特大のオムツは、髪を湿らす時にも、すすぐ時も、大量の水分を吸ってくれるそうです。

もちろん、最初に真ん中あたりで吸わせたら、すすぎの時は半分ずらして右・左・・、乾いたところで吸わせてくれていました。

リンス付きで、仕上げはしっかり拭きとり、紙オムツを外して、ドライヤーも。
すっかりフワフワのパーマの髪が蘇り、見ている方も本人も、すごくリフレッシュしました。


母も嬉しくて、涙ぐみ、私達もずっと介護していて、心がほぐれる・・、そんな心暖かな気持ちは、何日ぶりだったでしょう。

入院していて、嬉しくて泣いたのはこれが初めてでした。
私達が母に対して介護している気持ちと、彼女の患者さんへの思いやりの心。


Aさん達にとっては、ごく普通の業務だったかも知れません。
でも、彼女達の、母に対する気持ちがとても嬉しく、私までも胸がいっぱいになりました。
今でも、その時の情景が思い出されると、涙がこみ上げて来ます。

『良かったね。私、シャンプーなんてしてもらえると思ってなかったから、凄く嬉しい。気持ち良くなったでしょう。』

『気持ち良かった・・』



"介護される方もお疲れですよね。大変ですね。患者さんも長いことお風呂に入れないから気持ち悪いですよね。私達にお任せ下さい。" そんな看護に対する姿勢が、しっかり私達の胸に届き、感動しました。


この時、私達は死を待つばかりの癌患者難民家族ではありませんでした。
ちゃんと人としての尊厳を守っていただき、支えられたから。

心を汲んでもらった、受け止めてもらえ、救い光を浴びた、そんな思いでした。

私達家族は、あの時、彼女からシャンプーをしていただいた事は、あの時の母の清々しい笑顔と共に、一生忘れない思い出となりました。

お二人の看護師さん達、本当にありがとうございました。m(_ _)m


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まとめtyaiました【家族として癌と戦う日々~入院中で一番心に残った看護】

入院してからすでに三週間が経過していた頃のお話です。母は、体力がどんどん消耗していっておりましたので、当然お風呂は入れません。ありがたいことに、看護師さん達が何度か母の体を拭いて下さり助かりました。年齢的なものもありますが、栄養状態が悪いと皮膚はどうし...

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